PCケースはどのサイズを選べばいい?
必要なPCケースのサイズは、まずマザーボードのフォームファクターで決まり、次にグラフィックスカードの長さと冷却プランで決まります。ATXマザーボードにはATX対応のケースが必要で、通常はミドルタワーになります。Micro-ATXやMini-ITXのマザーボードなら、より小さなケースに収まります。購入前には必ず、GPU長、CPUクーラーの高さ、ラジエーターの対応状況を確認しましょう。
「ミドルタワー」や「フルタワー」といったケースの呼び方は規格化されていないため、名称よりも公表されているクリアランスのほうが重要です。ここでは、パーツに合わせたケースの選び方を紹介します。
マザーボードにはどんなサイズがありますか?
一般的なデスクトップ用マザーボードのサイズは、Mini-ITX、Micro-ATX、ATX、E-ATXの4種類です。どのケースも取り付け可能なマザーボードサイズを公表しているため、選んだマザーボードによってケースの最小サイズが決まります。
| フォームファクター | マザーボードサイズ | 最大拡張スロット数 | 一般的なケース |
|---|---|---|---|
| Mini-ITX | 170 x 170 mm(6.7 x 6.7インチ) | 1 | スモールフォームファクター |
| Micro-ATX | 最大244 x 244 mm(9.6 x 9.6インチ) | 4 | Micro-ATXまたはコンパクトなミドルタワー |
| ATX | 305 x 244 mm(12 x 9.6インチ) | 7 | ミドルタワー |
| E-ATX | ATXより幅が広い。マザーボードにより異なる | 通常は7 | 大型ミドルタワーまたはフルタワー |
出典:Intel ATX Specification, Version 2.2(ATX)。Micro-ATXとMini-ITXの寸法は、Intel microATXおよびVIA Mini-ITXの仕様で定義されています。
小さなマザーボードは大きなケースに収まります。ATXケースは、ほぼ例外なくMicro-ATXとMini-ITXにも対応しています。逆は成り立ちません。E-ATXには決まった幅がないため、ケースが公表しているE-ATXの上限と、お使いのマザーボードの実寸を照らし合わせてください。
ミドルタワーとフルタワーの違いは?
ミドルタワーは一般的にATXマザーボードとほとんどのゲーミング用ハードウェアに対応します。フルタワーはより大きく、通常はE-ATXマザーボード、より多くのラジエーター、より多くのドライブを搭載できます。どちらの用語にも公式な定義はないため、名称に頼らず公表されている容積とクリアランスを比較しましょう。
リットル単位の容積は、全体の大きさを1つの数値で把握するのに便利です。パーツが実際に収まるかどうかは、クリアランスの仕様で判断できます。
グラフィックスカードが収まるかどうかは、どう確認すればいいですか?
カードメーカーの仕様書に記載されているGPUの長さを、ケースが公表しているGPUクリアランスと比較してください。その際は、予定しているファンやラジエーターの構成に合ったクリアランスを使いましょう。フロントファンやラジエーターがスペースを取るため、GPU長を複数記載しているケースも多くあります。
たとえばH3 Flowは、フロントファンなしで最大377 mm、フロントファンありで最大352 mm、フロントにラジエーターとファンを取り付けた場合は最大317 mmと記載されています。同じケースでも、長いカードとフロントラジエーターの両方は収まらない場合があります。あわせて次の点も確認しましょう:
- 厚みと幅:特に、GPUを垂直マウントするスモールフォームファクターケースでは重要です。
- 拡張スロット:厚みのあるカードは3スロット以上を占有することがあります。
- 電源コネクタのクリアランス:電源ケーブルがサイドパネルに当たって急な角度で曲がらないよう、カードから出るケーブルのためのスペースを確保しましょう。
ラジエーターとCPUクーラーが収まるかどうかは、どう確認すればいいですか?
水冷クーラーの場合は、取り付け予定の位置でそのラジエーターサイズに対応しているかと、ケースの「ラジエーター + ファンの厚さ」の上限を確認します。空冷クーラーの場合は、クーラーの高さをケースのCPUクーラー高のクリアランスと比較します。
- 取り付け位置ごとのラジエーターサイズ。フロントには420 mmラジエーターを搭載できても、トップは360 mmまでというケースもあります。
- ラジエーター + ファンの厚さ。ラジエーターとファンを合わせた厚さが、マザーボード上方の空きスペースを超えることがあります。背の高いメモリを使う場合は特に注意が必要です。
- CPUクーラーの高さ。タワー型の空冷クーラーは高さに大きな差があり、小型ケースでは上限が厳しいことがよくあります。
- PSUの長さ。長い電源ユニットは、ボトムファンやドライブケージと干渉することがあります。
自分のビルドに合うケースサイズは?
マザーボード、GPU、冷却プランが少し余裕を持って収まる、最も小さなケースを選びましょう。小型ケースはデスクのスペースを節約できますが、作業スペースが狭く、冷却の選択肢も少なくなります。大型ケースは組み立てやすく、より多くのラジエーターやファンを搭載できます。
- Mini-ITX:デスクのスペースを最優先する場合に最適です。SFX電源ユニット、ロープロファイルクーラーまたはフロントラジエーター1基、そして入念なケーブル計画が前提になります。
- Micro-ATX:バランスの取れた中間サイズで、多くのケースでフルサイズのGPUと240 mmまたは280 mmのラジエーターを搭載できます。
- ATXミドルタワー:ほとんどのゲーミングビルドの定番です。幅広いハードウェアに対応し、組み立てやすいサイズです。
- 大型ミドルタワーまたはフルタワー:E-ATXマザーボード、複数の大型ラジエーター、非常に長いGPU、多数のファンを使う場合に。
NZXTのケースはサイズごとにどう違いますか?
サイズ帯の異なるNZXTのケース3モデルを、公表スペックで紹介します:
- H2 Flowは、Mini-ITXマザーボード向けの容積20.7 Lのスモールフォームファクターケースです。SFXおよびSFX-L電源ユニット、最大331 mmのGPU、フロントに最大280 mmのラジエーターに対応します。製品を見る
- H3 Flowは、容積35.0 LのMicro-ATXケースで、フロントに最大280 mmのラジエーター、高さ最大170 mmのCPUクーラーに対応します。製品を見る
- H9 Flowは、容積76.7 Lのミドルタワーで、幅277 mmまでのE-ATXマザーボード、トップとフロントに最大420 mmのラジエーター、最大459 mmのGPU(フロントのファンの厚さが56 mm未満の場合)に対応します。製品を見る
すべてのサイズをPCケースで比較できます。
クイックチェックリスト
- マザーボードのフォームファクターを確認し、E-ATXの場合は正確な幅も確認する。
- 予定しているフロントファンまたはラジエーター構成でのケースのGPU長を確認する。
- GPUの厚みと拡張スロット数を確認する(特にスモールフォームファクターケースの場合)。
- ラジエーターサイズを特定の取り付け位置に合わせ、ラジエーター + ファンの厚さを確認する。
- 空冷の場合は、クーラーの高さをケースのCPUクーラークリアランスと比較する。
- PSUのフォームファクター(ATXまたはSFX)とPSUの最大長を確認する。
- デスクを測り、ケースの公表サイズと比較する。
よくある質問
ATXケースにMicro-ATXマザーボードを取り付けられますか?
はい。ATXケースにはMicro-ATX用、通常はMini-ITX用の取り付けポイントもあります。スペースに余裕ができ、使わない拡張スロットカバーが残る場合があります。
ハイエンドGPUにミドルタワーで十分ですか?
多くの場合は十分です。GPUクリアランスが400 mmを超えるミドルタワーも多くあります。ただし、フロントファンやラジエーターを取り付けた状態でのクリアランスは公称値より小さくなることがあるため、そちらを確認してください。
ATXケースとE-ATXケースの違いは?
E-ATXマザーボードはATXより幅が広くなります。E-ATX対応のケースは対応するE-ATXの最大幅を公表しており、それを超える幅のマザーボードは収まらないか、ケーブルルーティング用の穴をふさいでしまう可能性があります。
スモールフォームファクターケースには専用のパーツが必要ですか?
多くの場合は必要です。Mini-ITXケースの多くはSFXまたはSFX-L電源ユニットが必要で、CPUクーラーの高さやGPUの厚みにも制限があります。パーツを購入する前に、すべてのクリアランス仕様を確認しましょう。
大きなケースのほうがよく冷えますか?
サイズだけでは決まりません。大きなケースは通常、ファンやラジエーターのマウントが多いため有利ですが、冷却性能はファンを何基使うか、ケース内を空気がどう流れるかで決まります。




